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香園寺(こうおんじ)は、四国八十八箇所霊場の第61番札所で、正式には「栴檀山 教王院 香園寺」という真言宗御室派の寺院です。寺伝によれば、父用明天皇の病気平癒を願い聖徳太子が開基したといいます。四国霊場屈指の古刹ですが、意外にも本堂と大師堂を兼ねた大聖堂は、鉄筋コンクリート造りの巨大な建築物でびっくりしました。札所というと古い建物が多いのに、超近代的な美術館やコンサートホールを思わせる建物です。
由緒では、弘法大師空海が四国巡錫のある日、門前で身重の婦人が難産で苦しんでいました。大師は、栴檀(せんだん)の香を焚いて加持、祈祷をしたところ、婦人は元気な男子を無事に出産しました。以来、安産、子育ての信仰を得て、現在でも多くの女性や夫婦が安産祈願に訪れています。
アラカシは大聖堂の右手前にある聖徳太子を祀る「聖徳殿」の背後にあり、さらにもう1本アラカシの巨樹が東側にあります。アラカシは「粗樫」と漢字で書きますが、シラカシに比べて粗いということのようです。区別がつきにくい品種です。
また、聖徳殿の横にある「子安大師堂」の前にはけっこう大きなセンダンの木があり、ちょうど薄紫色の花が満開でした。空海の伝説に因んで植えたものでしょう。大聖堂前参道には、地上50cmくらいで多くの幹に分岐したスギの大木もありました。
(HP管理者) |