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訪問した10月10日は祝日で、ちょうど2時からの神社の説明を聞くことができました。普通は入れない拝殿の中に入っての説明で、約30分間神官の方の説明に聞き入りました。特に高野山と丹生都比売神社の関係には時間を割いて説明されました。
丹生都比売神社の鎮座するかつらぎ町天野の地は、紀の川沿いから400mも登った高原に開けた小さな盆地です。一種の桃源郷ともいえるような美しい日本の風景が残ります。
由緒書きによれば、この天野の地丹生都比売神社が創建されたのは、「日本書紀」に「天野の祝」として記載があり、今から1700年以上前のことと伝えられています。ご祭神の「丹生都比売大神」は「天照皇大神(あまてらすおおみかみ)」の妹神で、「稚日女命(わかひるめのみこと)」とも呼ばれます。
高野山とのつながりは、「丹生都比売命」の御子、「高野御子大神(たかのみこのおおかみ)は、真言密教の根本道場の地を探し求めていた弘法大師の前に犬を連れた狩人に化身して現れ、高野山へと導きました。大師は丹生都比売大神の御神領であった高野山を借り受け、山上大伽藍に大神の御社を建てて守護神としました。高野山参詣には町石道を登り、まず当社に参拝した後に高野山へと向かいました。
神官のお話では、かってはこの地には誰も在住せず、神職や僧侶は紀の川の平野部から毎日登ってきたとのこと。
さて大スギは社殿右側にそびえており、幹には避雷針からの導線が付けられていました。樹高が高く落雷の危険性が高いからでしょう。そのほかにもスギの巨樹があります。
平成16年7月に丹生都比売神社は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」として登録されました。訪問した2016年10月に丹生酒殿神社を起点とし、笠松峠を越えて丹生都比売神社へ参拝する参詣道である「三谷坂」が世界遺産に追加登録されました。
(HP管理者) |