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県道57号線の寺領バス停前まではちゃんとした舗装道路ですが、右に折れて山道に入ると狭い道になります。それでも民家があり、こんな山深い所によく住めるもんだと都会住まい故に感心させられてしまいます。細い、それでも舗装の道路をかなり上った頃に左にお堂と大きな木が見えます。それが寺領観音堂とイチョウの巨樹です。観音堂に行くための細い小道がありますので、小道の手前のスペースに駐車します。
寺領観音堂について、伊根町史などでは、「かって恩教寺(真言宗)という大寺院がこの地にあり、創建年代は不詳ですが、平安時代には大伽藍であったが、室町時代には衰微したとのこと。僻遠の地にあって今はただ観音堂一宇を残すのみ。寺領の地名は恩教寺の宏大な寺領からきている。」とあります
またこの大イチョウには伝承があり、「乳の出ない婦人が、この公孫樹の皮を削りとって煎じ服用すると乳が出るようになるといわれ、遠近の人々が来山して樹皮を剥ぎ持ち帰る風習があったので、乳垂公孫樹と呼ばれ親しまれている。」そうです。
大イチョウは8本の大枝が密集して伸びていました。大きな乳(気根)は見つかりませんでした。人里離れた丹後半島の最深部に平安時代に仏教の大寺院が存在していたことに驚きます。
(HP管理者) |