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「橦木町のムクノキ」との名称を付けていますが、所在地は「主税町」になります。場所は、NHKの大河ドラマ「春の波涛」の主人公で結構有名になった川上貞奴の邸宅を復元した「文化の道二葉館」の北斜め前にあたります。独立樹で非常によく目立ちます。町の名前の「橦木(しゅもく)」とはお寺の鐘をつくための木の棒のことです。珍しい地名ですね。
ムクノキのある場所は現在は駐車場となっていますが、市の保存樹指定当時は土屋邸でした。この周辺は江戸時代には中・下級武家屋敷があり、近くには長屋門も残されています。名古屋市では、名古屋城から徳川園にかけてのこの周辺エリアを「文化の道」として保存し、観光地にしています。このムクノキがその文化の道の有名スポットかというと、どうもそうでは無いようです。
江戸時代の武家屋敷も大正時代になると企業家たちの屋敷町へと変わっていきます。発明王と言われた兄・佐吉を支えた豊田佐助の旧邸や、陶磁器を輸出する貿易商として成功した春田鉄次郎の旧邸などが残されています。
ムクノキは道路に面して一段高い盛り土の上にあり、大きな板根を持っていました。名古屋市内には珍しいムクノキの巨樹ですから、長く保存して欲しいものです。近くには「東片端の大楠」があります。
(HP管理者) |