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上方白鳥神社は日本武尊(やまとたけるのみこと)を祭神として祀ります。創建の年代は不明ですが、1000年以上前と考えらています。日本武尊は伊吹山で賊を退治した際に怪我を負い、上方を通って大和に戻る途中に能褒野(のぼの)で亡くなりました。その後、日本武尊の霊が白鳥になり上方に舞い降りた、というのが白鳥神社のいわれとされています。また「神宿」(かみやど)という珍しい制度がこの神社には残っています。その神事の内容は、
「昔、神社から鰐口(わにぐち)を盗み出した盗人が牛谷(上方)まで逃亡したところ体の自由を失い、動くことができなくなった。盗人が鰐口を戻すと許しを乞うたところ、体が動くようになったといいます。
それ以降盗難を危惧する氏子が、神社に代わり個人宅で神様の守をするようになり、神宿と呼んでいます。神宿制が始まってから1000年以上は経つのではないかといわれている大変古い制度です。現在も「神宿」では鰐口が奉られています。上方集落の家々が順番に神宿を務めますが、当たった家は名誉であると同時に大変厳しい神事を務めなければならないそうです。」
イチョウの方はというと、拝殿の左に高くそびえており、地上から10mほどは枝がなく、その上の方に葉が付いていました。枝をはらったというわけでもないようです。境内にはイチョウと同じく町天然記念物に指定されている「カヤ」(幹周/4.15m)もあるのですが、獣よけのフェンスがあり施錠されており、見ることができませんでした。
養老町は歴史豊かな町ですが、「養老の滝」以外にはこれといった著名な観光地がないのが残念です。近くの桜井集落には「桜井白鳥神社のケヤキ」があります。
(HP管理者) |