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閑谷学校は江戸時代の寛文10年(1670年)に岡山藩5代藩主・池田光政公が一般庶民の教育を目的として作った藩校でした。講堂などの現在の壮麗・堅固な建物は光政の死後、元禄14年(1701年)に建てられたもので、現存する庶民を対象とした学校建築物では世界最古のものといわれており、現在世界遺産への登録を目指しています。講堂は国宝で、完成時のままの姿をとどめているそうです。閑谷学校全体が国の特別史跡になっており、多くの観光客を集めています。
さて、カイノキ(楷の木)は聖廟の前の傾斜地に2本が石段を挟んで植えられています。カイノキは中国・曲阜にある孔子廟に植えられていることで知られていますが、大正4年(1915年)林学博士・白沢保美氏が中国の孔子墓を訪問した際、楷の実を持ち帰り育苗したのが日本における最初のものでした。このカイノキを大正14年(1925年)に閑谷学校に寄贈され移植されたのが現在の閑谷学校のカイノキです。樹齢は90年と言うことになります。
カイノキは、東南アジアや中国に自生するウルシ科の落葉高木でランシンボクとも呼ばれます。閑谷学校のカイノキといえば紅葉の美しさが有名ですが、2014年11月に訪問した際は残念ながら綺麗な紅葉は見れなくなっていました。事務所の方に聞くと、最近紅葉が綺麗な紅色にならなくなったそうです。
燃え立つような紅葉のカイノキを見たかったのに残念です。願成寺のビャクシンでお話を伺ったおばあさんが、4・5年前に行った閑谷学校のカイノキの紅葉はとても綺麗だったといっていたのが思い出されます。
(HP管理者) |